【2023年版】中小企業におすすめしたい補助金・助成金をご紹介
事業の立ち上げや改善資金の補助のため、中小企業向けの補助金や助成金などが整備されています。補助金や助成金を活用すれば、実質的なコストを下げることができるでしょう。本記事では、中小企業向けの補助金や助成金の種類と活用方法、注意点などをご紹介します。
中小企業向けの給付金の種類
中小企業の給付金は、大きく分けて「補助金」と「助成金」に分けられます。
補助金
補助金は、一般的に公募期間が設定されており、経済産業省が募集をかけているものが主です。あらかじめ定めされた採択件数や金額の制約を元に募集がかけられており、応募しても、必ず給付が受けられるとは限りません。
助成金
条件を満たしていれば、ほぼ支給が確実なのが特徴です。主に厚生労働省が募集をかけています。
中小企業向けの補助金と助成金
ここでは、中小企業が申請できる補助金・助成金のうち、2023年度も申請可能な主だったものを紹介します。
雇用調整助成金
雇用調整助成金は、経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るために、一時的な雇用調整を実施することで、従業員の雇用を維持した際に助成するための制度です。経済上の理由には、景気の変動、産業構造の変化などが挙げられます。
主な受給条件
1.雇用保険の適用事業主であること
2.売上高または生産量などが、最近3ヶ月の月平均値が前年同期と比較して10%以上減少していること
3.雇用保険被保険者や受け入れている派遣労働者について、最近3ヶ月間の月平均値が前年同期と比較して10%を超えていない、かつ4人以上増加していないこと
4.実施する雇用調整が一定の基準を満たしていること
・休業の場合
労使間の協定により所定労働日の全一日にわたって実施されるもの
・教育訓練の場合
休業と同様の基準のほか、教育訓練の内容が職業に関する知能や技術、技能の秀直や向上を目的とするものであること
また当該受講日において業務に就かないものであること
5.過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して1年を超えていること
受給額
受給できる金額 | 中小企業 | 中小企業以外 |
休業を実施した場合の休業手当や教育訓練を実施した場合の賃金相当額 | 2/3 | 1/2 |
教育訓練を実施した際の加算 | 1,200円(1人1日あたり) |
休業を実施した場合、事業主が支払った休業手当負担額、教育訓練を実施した場合は賃金負担額の相当額に2/3(中小企業の場合)の助成率を乗じた額となります。ただし、教育訓練を行った場合、「教育訓練を実施した際の加算額」が加算されます。
休業・教育訓練の場合は、初日から1年間で最大100日分、3年間で最大150日分受給可能です。出向の場合は、最長1年の就航期間中受給ができます。
参照:厚生労働省「雇用調整助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_20200515.html
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者などが、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際に、経費の一部を補助する給付金です。「通常枠(A・B類型)」「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤導入枠」に分けられます。
・通常枠(A・B類型)
ITツールを導入する際に経費の一部を補助することで、業務効率化、売上アップをサポートすることが目的です。
・セキュリティ対策推進枠
サイバーインシデントが原因で事業継続が困難になる事態を回避し、サイバー攻撃被害にあうリスクや、生産性向上が阻害されるリスクを低減するのが目的です。
・デジタル化基盤導入枠
導入する会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトの経費の一部を補助することで、企業間取引のデジタル化を推進することが目的です。
補助額・補助率
| 通常枠 | セキュリティ対策推進枠 | デジタル化基盤導入枠 | ||
| A類型 | B類型 |
| デジタル化基盤導入類型 | |
補助対象区分 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費 | サービス利用料(最大2年分) | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費 | ||
補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 | 3/4以内 | 2/3以内 | |
上限額・下限額 | 5万円~150万円未満 | 150万円~450万円以下 | 5万円~100万円 | (下限なし)~50万円以下 | 50万円超~350万円 |
ハードウェア購入費用(デジタル化基盤導入類型)
ハードウェア購入費 | PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機:補助率1/2以内、補助上限額10万円 |
レジ・券売機等:補助率1/2以内、補助上限額20万円 |
参照:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金」
https://www.it-hojo.jp/
補助金や助成金を受け取る際の注意点
中小企業が補助金や助成金の給付を受ける際には、以下の点に注意しましょう。
融資による資金繰りも検討する
補助金や助成金は、応募をしたらすぐに受け取れるわけではありません。ほとんどの補助金・助成金は、申請が認可されてから支給が開始されます。そのため、事業の最中に資金が不足する恐れがあります。
このため、事業実施の間は資金繰りのために、融資による資金調達の可能性も考えることをおすすめします。
事後処理などのため資料を残す
補助金や助成金を申請する場合は、給付対象の事業の資料を必ず残しておきましょう。通常、事業終了後に申請を行うため、資料を揃え、補助金や助成金を受け取る体制を整えなくてはいけません。申請通りに事業が行われているか、会計検査院の調査が入る可能性もあります。このため、申請後にも資料を残しておき、調査で聞かれた場合でも答えられるようにしておきましょう。
中小企業向けの補助金・助成金について知ろう
補助金や助成金は、中小企業が事業の改善を行う際に手助けとなるものです。さまざまな需要に応じて設定されているので、自社の状況に応じた補助金・助成金を見つけ、ぜひ役立ててみてください。
<参考サイト>
https://the-owner.jp/archives/3953
https://smb.ricoh.co.jp/column/000901/