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伝統工芸品を身に着けるという贅沢〜伝統工芸士の手により染め上げられた最後の一反を、ジャケットに。もう手に入らない理由とは?〜

匠 -Philosophy

2019年10月某日、デライトにふさわしい商品の提供を依頼すべく、ペコラ銀座を訪れた。


ここには、素晴らしきテーラー佐藤英明氏がいる。

佐藤氏は千葉県館山市に祖父の代から続くテーラーの3代目として生まれた。高校卒業と同時に五十嵐九十九に師事し、2年間の修行を経て、20歳でパリへ。しばらくアントニオ・モンタルトの元で既製服のパタンナー助手をした後、ジャン・ポール・ボークレーの仕立屋養成学校に入学。在学中にアルバイト先でマリオ・ペコラの仕立てたポロコートと運命的な邂逅をし、パリからミラノに移る決意を固めた。ミラノでマリオ・ペコラの元に弟子入りを許され、一流のテーラー技術と精神を身につけるため修行に励む。5年間の修行の後師匠から『マリオ・ペコラ』の名前を使い、店を持つことを許可され帰国。ペコラ氏以外でマリオ・ペコラの名前を使うことが許された唯一の弟子である。

 


そんな佐藤氏であれば、驚くような逸品を提供してくれるのでは?と図々しくも「ここでしか手に入らない、驚くような一点物はありませんか。」と聞いてみた。少しの沈黙の後、「あ。」と一言。奥の方からオレンジ色の箱を大切そうに抱えて持ってきてくれた。スーツの服地としては珍しく和風のマークがついている。遠目になんだかこれは凄そうと期待が膨らむ。




「これはもう手に入らないかもしれませんよ。」とポーカーフェイスの中に、高揚感が見える佐藤氏。徳元 天然藍染正絹服地は東京都台東区にある工房徳元で、伝統工芸士・大茂文則氏によって染め上げられた工芸品である。

特徴は、その「色の深さ」と「奥行きのある光沢」にある。国産最高級の絹糸(5A)のみが用いられ、その染色には徳島産の阿波藍による染色が施されている。絹糸を藍染めする場合、このような深紺色を得るには時間をかけて少しずつ染め重ねることが必要であり、その回数は50回以上にも及ぶという。伝統工芸士(大茂文則氏)の熟達した技により、技術的に最も難しいとされる高い染色堅牢性を得ているのだ。佐藤氏がそう語りながら大切そうに箱から出してくれた服地のその色は、とても深い濃紺で、これがジャケットになればきっと着る人の格式をより一層高めてくれるのだろうなと感じた。ただの高級な服地ではないのだ。服地なのに、圧倒されるような存在感を持っていた。




実はこの素晴らしい服地、この一反を最後にお目にかかる機会がなくなってしまいそうなのだ。2004年11月大茂文則氏は帰らぬ人となった。この服地を作るには先述した通り熟達した技が必要なのだ。これを継承した人はおらず、再現することは非常に難しいという。そして、今回デライトで販売することができるのもたった一着。出し惜しみをしているわけではなく、本当に一反しかないのだ。ジャケットを心より愛する方へ、貴重な伝統工芸品を佐藤氏があなたのためだけに仕立てた逸品をお贈りする。



注:マリオ・ペコラ氏

ミラノを代表するサルト(仕立師)の一人。卓越した技術で、若干13歳にして一人前のサルトとして活躍していたという。その卓越した技術は王家にも認められ19世紀イタリア王家「サヴォイア家」の専属仕立師として従事。イタリアに限らず、世界中の富豪から指示され、ロシアやスイスから、わざわざ訪れる客も多い。


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